山芋を育てるでござる

海から遠い内陸に住んでいると、やはり海産物が恋しくなるのは、日本人の性なんであろう。

まあ「遠い」と言っても、最短距離だと数百キロ程度。世界で最も海から遠い場所(ウルムチの少し北)に行ったことがあるが、それと較べればカスみたいな距離なものの、それでも日本には、ここまで海から遠い内陸は無いのだから妙なものだ。

まあなんにせよ、そんな当地でも、高級スーパー他で海産物が入手できるのだから、便利な時代だとは思う・・・まあ、いい時代だとはとても思えないが。

さて、海の幸には恵まれないが、山の幸となると、この地は植物の多様性では指折りの場所である、なんだかよく分からないものまで何でも揃う。
その中で、食材として確保しておきたいものがいくつかあり、そのひとつが山芋である。
山芋は、中国南部からこの辺りが原産地なのだが、この辺では少数民族くらいしか食さないらしく、街場ではまず手に入らない。

もうかなり前、当時雇っていたメイドさんがラフ族の娘だったのだが、彼女が村(タイ・ビルマ国境近く)に帰省するというので、「こんな芋はあるか?」と画像を見せたりして訊くと、「たぶん???(不明な言葉)のことだと思います・・・ありますけど、日本人も食べるんですか?」というので、とにかく頼んで持って来てもらった。

翌週、彼女は結構な量の芋をヒーヒー言いながら抱えて戻って来た。
 
山芋、といえば細長いものを想像していたが、どうにも形が不揃いで、細長くはない。
まあ「山芋」という名称の芋は無いわけで、少し種類が違うんだろう。
 
当時の写真がないのだが、いくつかを切ってみると、断面が赤いもの、切った瞬間に断面が一気に茶色く変色するもの、白いままのもの等色々で、少々面食らった。

結論から言うと、どうやら何種類もの芋が混じっていたようだ。
なお彼女の村では、火を通して食べるそうで、生で食べると言うと少しびびっていた。

白いものをすりおろしてみると、粘りが強く、味もかなり上等だった。
 
とにかくこの時、断面が赤いものは敬遠し、茶色く変色するものはすりおろしてお好み焼きに使い、白いままのものはマグロの山掛けやとろろ蕎麦で堪能し、そしてその「断面白いまま」のものを少し残して種芋とし、当時の家の庭に植えた。

種芋とするのは、基本的には蔓の生えていた先端部分だが、他の部分でも植えれば芽は出るので、調理しにくい形状の部分を切り落として種芋にすればいい。つまり適当。
 
ともあれそれ以降、年明けしばらくして植えて、概ね年末に収穫、というのを毎年繰り返しており、毎年消費しきれないほどの量を収穫できている。
奇しくも収穫時期がちょうど年末なので、我が家の年越し蕎麦はとろろ蕎麦が恒例となり、正月にはマグロの山掛け他が並ぶことになっている。

なお芋は細長くはなく、やや丸っこいゴロゴロした不定形で、いわゆる「大薯」と呼ばれるものの一種のようだが、葉の形はむしろ自然薯のそれに近い。
とにかく我が家の山芋、詳しい名称・分類は今ひとつ不明なものの、文句なしに旨い。
また、すりおろすととにかく粘りが強く、例えば丼にすりおろして、箸を突っ込み持ち上げると、確実に丼ごと持ち上がるほどの粘着力だ。

植え方は適当である。
とにかくえらい勢いで蔓を巻いていくので、少なくとも5メートル程度の竹竿か何かを支柱にするか、支柱代わりになるそれなりの木の根元に植えて放っておく。
植える、というよりも、木や支柱の根元を均して種芋を数個転がし、その上に少し土をかぶせて終了。
もちろんちゃんと日当たりのいい場所を選び、たまに水くらいはやろう。

なお、ちゃんと埋めない理由は3つあり、 ・・・つまり単に面倒というのが主だが、埋めなくても問題無いのだから願ったり叶ったり。空気読めてる芋だ。
まあ埋めた方がより大きくなるのかも知れないが、我が家で消費する分は十二分に賄えるわけで、それで全く問題無し。
 
今年は確か3月上旬に植えたのだが、植えて数ヶ月でこんな具合になる・・・大きさは、左下のライター(笑)から判断。
どうにも写真の枠には収まらなかったが、ずっと上、蔓の先端までは優に私の背の3倍はあるので、高さは余裕で5メートルは超えており、まだまだ伸びている。

なお12月頃になると葉が枯れてくるので、枯れ切ったら収穫。その頃には、大きく育った芋が根元に見えているはずだ。
 
葉や蔓をアップで。まあこんな感じである。
1つの種芋から何本も芽が出てくるので、毎回こんな具合に大繁茂となる。

なお我が家では、大き目の植木鉢5つで生ゴミをコンポスト化(堆肥化)しており、それでできた土は、主に支えにしているこの木の根元に加えているので、他に肥料等は一切やっていない。

ちなみに水以外全く何もやらなくても、ちゃんとそれなりに育つ。
 
枯れるしばらく前に花が咲くことがある。スターフルーツのようなオマケ付きだ。
やはり日本の自然薯の花とはだいぶ違うようだ・・・が、旨けりゃいいんだよ!
少なくとも、長芋なんぞでは足元にも及ばない旨さである。

これに限らず、山芋は日本でも庭先で簡単に育てられるんではないかと思うので、ヒマな方は試してみて下さいな。
 

2010/07/21

2018/04/23(月)
久々にイカGET
2018/04/22(日)
釣らずに大物GET!
2018/04/13(金)
魚っ気はあるんだがなー
Keyword : 山芋,自然薯,栽培,育て方,大薯

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